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踏んだり蹴ったり 白鳥の湖かラ・シルフィードか ダブルブキングの一日 [バレエ]2010-01-18 [バレエ アーカイブス]


 ボッーとしていたからからなのか…。1月17日(日)はバレエを観る日と決めていて、さあ出掛けようとチケットを確認すると、なんと新国立劇場の「白鳥の湖」と東京バレエ団の「ラ・シルフィード」の両方を買ってしまっていたことが判明!

 初台の新国立劇場「白鳥の湖」初日には、ザハロワとウヴァーロフが出演。上野の東京文化会館の東京バレエ団「ラ・シルフィード」には、上野水香とサラファーノフが出演。開演時間は16時と15時。オケは東響と東フィル。さて、どちらを観ることにしようかと迷った挙げ句に初台へ行くことにした。ザハロワの「白鳥の湖」は、もう観られないかもしれないこととキャストの豪華さで新国立劇場を選んだ。

 ところが劇場へ到着するとザハロワ休演の張り紙が…。ショックで立ち直れないほどガッカリ。ああ、「ラ・シルフィード」にしておけばよかった。といっても、もう上野は開演時間を過ぎていてどうすることもできない。開幕前に牧阿佐美・芸術監督が幕前に出て事情説明。ドクター・ストップで3日間とも出演しないのだとか。しかもホームページでは、1月8日に発表されていて、事前に知らなかった天使が馬鹿だったことも判明…。

白鳥の湖」1月17日(日)、19日(火)、21日(木)に出演を予定しておりましたスヴェトラーナ・ザハロワが体調不良ため出演できなくなりました。代わって1月17日は厚木三杏(オデット/オディール)が出演いたました。19日のオデット/オディールに厚木三杏、21日については川村真樹が出演いたします。王子役はアンドレイ・ウヴァーロフで変更はありません。チケットの払い戻しはございませんのでご了承ください。 親愛なる観客の皆様 今回、『白鳥の湖』を降板する事態になったことを心よりお詫び申し上げます。日本に到着してから体調が思わしくなく、医師の診察を受けたところ、健康を回復するために一定期間、舞台活動を休むようにとの診断を受けました。皆さんの前で踊ることができないことはとても残念ですが、2010年6月の『椿姫』公演、2011年1月の『ラ・バヤデール』公演の際に新国立劇場で再び皆様にお会いできることを願っております。 スヴェトラーナ・ザハロワ
 
 代役にはソリストで、22日に出演が予定されていた厚木三杏が出演したのだが、頭の中はザハロワ・モードで来たので、何をどう踊られても「ザハロワだったら…」という考えが頭の中を駆けめぐって全然楽しめなかった。ほとんどの観客がアウェー状態の中で、公演を救った厚木三杏の健闘を讃えるべきなのだが、上野のバレエに行けなかったこともあわせて厳しい視線を送ってしまったかも。

 新国立劇場は、ゲストダンサーの他に、自分のところのプリンシパルやソリストが主演の公演が必ずある。失礼ながらザハロワ級のソリストが新国にいるとも思えず、同じ値段なのは納得しがたいところではある。東京バレエ団の新人公演マイ・キャスト・シリーズは、3,000円安いのだが、新国立劇場は全部同じ値段である。普段の入りはどうなのだろうか?新国立劇場の観客は作品本位なのだろうか?さまざま疑問がわいてくる。もっとも、新しいソリストを育てるのも新国立劇場の仕事である。それを怠ると、どこかのバレエ団のように、まともに踊れる年齢を超えたスターに頼り切りという悲惨なことになりかねないからである。

 「ああ、ついていない。」休憩時間にロビーに出ると、上手側のソファに着物を着た女性が寝かされていて救急隊員が側に立っていた。どうやら開演中に具合が悪くなってしまったようである。最終的に救急搬送されたようだが、天使よりも運の悪い方がいらしたようでお気の毒なことである。それに比べれば舞台を観られただけマシで、ダブルブッキングをしてしまった自分の落ち度をまず反省することにした。

2010-01-18 08:21
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シルヴィ・ギエム&アクラム・カーン・カンパニー 「聖なる怪物たち」 [バレエ]2009-12-18 [バレエ アーカイブス]

 上演時間は実質わずか1時間だった。それに不満を感じた観客もいたようだが、天使は大いに満足した。特に後半が素晴らしかった。今回は東京3公演のほか、島根や新潟でも公演があるようだが、新潟公演はチケットが売れていないようで、会場で渡されたチラシを持参すると1,000円割引になるらしい。上演時間が短いので新幹線を使えば、十分日帰りも可能なので出かける人もいるかもしれない。

 さて劇場へ入ると舞台は黒一色。字幕の装置とPAのスピーカーが立つ。場内の照明は落とされていて、バルコニー下の照明器具と天井の三角形の窓?の照明のみが点灯していて、薄暗いのだが作品の雰囲気にはあっていたかもしれない。幕が上がると白を基調にした舞台装置で氷山を思わせるのだとか。上手上部からスロープを描いて下手へ伸びる壁面と下手下部から同じくスロープを描いて上手上部へ伸びる壁面がある。その後方にはグレーのホリゾント幕がある。

 下手にはヴァイオリン、チェロ、カフォンに乗ったパーカッション奏者。上手にはインドの楽器?を演奏しながら歌う男性ヴォーカルと自由に動き回る赤毛の女性歌手。全員が裸足で舞台に登場していた。照明で変化をつけるだけのシンプルな装置でパフォーマンスに集中できるのが何よりだった。

 カッタクというインドの伝統舞踊は観たことはないが、足踏みや上半身の動きに特徴がああるようだった。共演者のアクラム・カーンはロンドン生まれでカッタクのダンサーとしてキャリアをスタートし、現在はコンテンポラリー・ダンスに軸足があるらしい。背の低い冴えないスキンヘッドの東洋系のオヤジという感じなのだが、踊りだして驚いた。足踏み?回転も超絶技巧なのに軽々とこなしてみせる何という身体能力!

  途中に台詞をはさみながら二人のデュエットとソロが交互に展開されるが、最初は緊張感が漂った舞台がみるみるうちにリラックスムードに変化していく後半が面白くも感動的である。特にアクラム・カーンが踊れなくなった?と感じさせる振り付けから、ギエムと一体になってインドの神々が乗り移ったような聖なる怪物?と化した部分など美しかった。

 ギエムのとぼけた台詞も面白かったし、演技なのか踊った後に息も絶え絶えなのも不思議な光景を見てしまったようで楽しめた。最後は案外アッサリとした終わり方だったのも好印象だった。いかにもロンドンやパリの観客に好まれそうな出し物で、ギエムの最新作に3年越しで出会えた喜びがすべてだった。

2009年12月18日(金) 東京文化会館 19時開演
シルヴィ・ギエム&アクラム・カーン・カンパニー
「聖なる怪物たち」

芸術監督・振付:アクラム・カーン

ダンサー:シルヴィ・ギエム、アクラム・カーン

振付(ギエムのソロ):林懐民
振付(カーンのソロ):ガウリ・シャルマ・トリパティ

音楽:フィリップ・シェパード
およびイヴァ・ビトヴァー、ナンド・アクアヴィヴァ、トニー・カサロンガの歌より

照明:ミッキ・クントゥ
装置:針生康
衣裳:伊藤景
構成:ギィ・クールズ

演奏:アリーズ・スルイター(ヴァイオリン)
ラウラ・アンスティ(チェロ)
コールド・リンケ(パーカッション)
ファヘーム・マザール(ヴォーカル)
ジュリエット・ファン・ペテゲム(ヴォーカル)

技術主任:ファビアナ・ピッチョーリ
舞台技術:サンダー・ルーネン
音響技術:ニコラ・フォール
ツアー・マネージャー: シャロン・ジョン

◆上演時間◆
19:00-20:15

2009-12-18 22:39
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くるみ割り人形 東京バレエ団 東京文化会館 [バレエ]2009-11-29 [バレエ アーカイブス]

2009年11月22日(土) 15時開演 東京文化会館
東京バレエ団創立45周年記念公演VIII
「くるみ割り人形」(全2幕)

◆主な配役◆

クララ:アリーナ・コジョカル
くるみ割り王子:ヨハン・コボー

【第1幕】

クララの父:柄本武尊
クララの母:井脇幸江
兄フリッツ:井上良太
くるみ割り人形:高橋竜太
ドロッセルマイヤー:木村和夫
ピエロ:松下裕次
コロンビーヌ:岸本夏未
ムーア人:小笠原亮
ねずみの王様:平野玲

【第2幕】

スペイン:奈良春夏-後藤晴雄
アラビア:西村真由美-柄本弾
中国:佐伯知香-中川リョウ
ロシア:田中結子-松下裕次
フランス:村上美香-河合眞里-宮本祐宜
花のワルツ(ソリスト):
矢島まい、渡辺理恵、川島麻実子、小川ふみ
宮本祐宜、梅澤紘貴、安田峻介、柄本弾

指揮: デヴィッド・ガーフォース
演奏: 東京ニューシティ管弦楽団
児童合唱:東京少年少女合唱隊

◆上演時間◆
【第1幕】 15:00 ~ 15:55

休憩 20分

【第2幕】 16:15 ~ 17:05

 英国ロイヤルバレエ団のプリンシパルであるアリーナ・コジョカルが全てだった。彼女がいてくれたおかげで極東の貧相なバレエ団の公演が、一流の輝きを持った瞬間が何度もみられた。もう古色蒼然としかいいようのないニコラ・ベノワの舞台装置といい、色彩感の乏しいセンスのない衣裳といい、とても世界に誇る一流バレエ団と思えないレベルだった。この舞台の見所がニコラ・ベノワの装置ということだが、くすんだ色調が何とも場末感をかもしだすのである。別に新しければよかったりするわけではないが、初演から37年も経っているのだから、そろそろリニューアルしてもよいのではないだろうか。それに衣裳の野暮ったさは救いようがないように思った。

 連休中のせいか客席にはお子様の姿が多かったので、どこかのバレエ教室の発表会でも観に行っている気分だった。ダンサーが転んでしまったりと、およそプロらしからぬ出来事まであって、2時間足らずの舞台だというのに退屈した。とにかくクリスマスの楽しさ、夢の世界の美しさといったものが不足しているのである。

 それを救ったのはアリーナ・コジョカルのクララである。王子さまというには、ヴィジュアル的にいささか無理のあるヨハン・コボーと踊った第1幕の後半は、恋を知る前の思春期にさしかかろうとする少女の未来への憧れ、祈りといった感情の高まりがダンスを通じて自然に伝わってくるのが素晴らしかった。テクニックの安定感は当然のこと、演技力と表現力の奥深さは見事というほかはない。さすがに英国ロイヤルバレエ団の人気プリンシパルである。怪我を克服して舞台に復帰したことを心から喜びたい。

 それに比べると、日本人ダンサーはいずれも小粒で、なかなか目を引くようなダンスにお目に掛かることができなかった。それでもマイ・キャスト公演と銘打ち、若手を抜擢した新人公演を催すなど、どこかのバレエ団のように看板ダンサーをいつまでも舞台に君臨させるよりはましではあるが…。

 東京バレエ団は、来年5月にクランコ振付の傑作「オネーギン」を初演するようである。ゲストを呼ばずに日本人キャストだけの上演になるのだろうか?念願だった作品だけに期待は大きいのだが、チャイコフスキー記念と冠があるのだから、古典の基本演目にもっと力を入れていく姿勢を望みたいものである。

2009-11-29 21:44
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ニューヨーク・シティ・バレエ2009 プログラムC オーチャードホール [バレエ]2009-10-13 [バレエ アーカイブス]

 Aプログラムがバランシンとロビンスの作品集。Bプロが日本初演2作品を含めたコンチェルト曲ばかりを使った4作品。Cプロがバランシンとロビンスに加え、現在の常任振付家ウィールドンの作品などNYCBの歴史を一気に辿ることができる内容ということなのでCプログラムを選択したのに、主役の怪我でウィールドンの「アフター・ザ・レイン(パ・ド・ドゥ)」はBプロでも上演されたバランシンの「タランテラ」に変更になってしまった。最もバランシン作品としては異色?の個人技重視の「タランテラ」が一番楽しめたので結果としては良かったのかも。

 20年以上前、パリ・オペラ座で初めてバレエを観た年にニューヨークにもでかけ、ニューヨーク州立劇場でニューヨーク・シティ・バレエ団の公演を観た。もちろんバランシンの作品集で「フォー・テンペラメント」を観た記憶がある。場内は超満員で、いまだにバランシン作品が多くのニューヨーカーに愛されているのを実感したのを思い出す。見事に客席は白人ばかりで、多の人種はまったくみかけなかった。後に同じ会場で、ハーレム・ダンス・シアターの「欲望という名の電車」を観たときは客席は黒人ばかりだったのと対象的だった。どちらも東洋人は天使だけだったような…。

 だからディアギレフの流れを組む20世紀を代表する振付家のバランシンの作品を正統的に上演する団体という認識。全幕物はクリスマスシーズンに上演する「くるみ割り人形」だけというイメージがあり、民間のパトロンに支えられているので、とっても保守的な演目を上演するような印象がある。良くも悪くも20世紀のテイストの漂うバレエ団だと思う。とにかくバレリーナの不揃いで美しくない体型と男性ダンサーの七三?に分けられたヘアスタイルが今どきコレか?ととっても珍しく思えた。

 たとえば同じ振付家の作品を主に上演する団体でも、ベジャールのバレエ団のダンサーにあるような妖しげね魅力は皆無。ニューヨーク本拠がありながら同性愛の雰囲気はなく、とっても健康的。ベジャールがストーリー重視で、バランシンやロビンスが音楽をダンスで表現しストーリーがないのと対象的である。ベジャールがニューヨークで受け入れられないのも理解できるような気がした。

 連休中とはいいながら日曜のソワレでCプロということもあり満員とはいかなかったようだ。キョードー東京と普段はブロードウエイ・ミュージカルを招聘している会社が仕切っているというのも象徴的で、ブロードウエイの延長線上にあり、ABTの本拠地であるMETのあるリンカーンセンターで上演しているというのも万人に受け、芸術的でなければならないという宿命を感じさせる。それだけにバランシンやロビンス以外の作品も観てみたかったのであるが、それが叶わなかったのは残念だった。

「ワルプリギスの夜」はグノーの「ファウスト」の音楽に振付られているのだが音楽とバレエは直接関係がなく、何もない簡素な舞台でプロポーションの悪いコールド・バレエに驚きながら観た。主役の女性ダンサーは転びそうになるし、あまり面白さは感じなかった。バランシンらしい作品ではあるけれど、どこかに美点や長所をみつけるまでには至らなかった。

 バランシンンには珍しく、超絶技巧を持ったダンサーが縦横無尽に踊りまくる「タランテラ」は大いに楽しめた。とにかく主役のダニエル・ウルブリフトの人間業とは思えない高速回転や跳躍の見事さは素晴らしかった。短いけれど印象深く楽しい作品。絶対踊るのが大変なハズなのに涼しい顔で踊るのも凄い。汗をかかないのも芸の内を実感。

 休憩後はロビンスの1時間の大作「ダンス・アット・ギャザリング」である。ショパンのピアノ曲18曲にあわせてペアで、ソロで次々にダンサーが入れ替わりながら踊り継いでいく作品。プリンシパル級のダンサーが総出演という感じなのだが、それぞれのダンサーの技巧と表現力に差があって、楽しめる部分と退屈する部分にくっきりと別れていた。どちらかといえば退屈する部分が多かったような気がする。物語はなく、ひたすら肉体をさらして踊り続けるだけに、ダンサー自身が何を表現したいのかを理解していないと、観客に何かを伝えるのは困難だと思った。

 長髪禁止の高校の優等生が踊るような「シンフォニー・イン・スリー・ムーヴメント」はストラビンスキーの音楽に振り付けたバランシンの作品。気品はあるがあまりに毒がなさすぎて感心しなかった。バレエだからといって時代に背をむけるべきではなく、常に新しい表現を追い求めるべきという立場でみると面白みに欠ける作品である。色気がなさすぎて、バレエを観る重要な楽しみを奪われたような気分でがっかり。物語のないバレエ作品は一歩間違えると、高度な技術が必要なラジオ体操になってしまうが、その典型のような作品。バランシンやロビンス作品など、過去の作品を継承していくだけでは早晩、行き詰まるのは見えてりるのだが…。

 音楽は小柄な女性指揮者であるクロチルド・オトラントが新日本フィルハーモニーを指揮して、単なるバレエの伴奏の域を超えていて秀逸だった。でも、ニューヨークに行ったときに、ニューヨーク・シティ・バレエ団がバランシンの作品を上演していても行かないかも。別の刺激的なパフォーマンスを選択してしまいそうだ。 


プログラムC 10月11日(日)18時 Bunlamuraオーチャードホール

指揮:クロチルド・オトラント
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団

ワルプリギスの夜日本初演(振付:バランシン 音楽:グノー)
マリア・コウロスキー、チャールズ・アスカゲート、アナ・ソフィア・シラーほか
バランシンが1975年にパリ・オペラ座で上演されたシャルル・グノー作曲の歌劇「ファウスト」に振付し、1980年にバレエ作品としてNYCBで初演され大絶賛された、きれいで親しみやすい作品。ロシア版は日本でも上演されているが、バランシン振付の作品は日本初演。壮大な音楽と躍動感ある振付がなんとも美しい!

タランテラ (振付:バランシン 音楽:ゴットシャルク ピアノ:ナンシー・マクディル)
タイラー・ペック、ダニエル・ウルブリフト
快活で若々しいダンスが楽しいバランシン振付作品。タンバリンを片手に持ったまま男女のペア踊り続ける超絶技巧に注目したい。バランシンにはめずらしく、ダンサー個人の技量がフィーチャーされている。


休憩20分

ダンシズ・アット・ア・ギャザリング 日本初演(振付:ロビンズ 音楽:ショパン ピアノ:スーザン・ウォルターズ)
イヴォンヌ・ボレ(ピンク)、ミーガン・フェアチャイルド(アプリコット)、サラ・マーンズ(グリーン)、キャサリン・モーガン(ブルー)、ジェニファー・リンガー(藤色)、ジャード・アングル(パープル)、アントニオ・カルメナ(れんが色)、アマール・ラマザール(グリーン)、ベンジャミン・ミルピエ(ウラウン)、ジョナサン・シタンフォード(ブルー)
ロビンズ振付。マズルカ、ワルツをメインにショパンのピアノ作品20曲あまりを使用している。ロビンズにとってダンス作品の代表作とも言える作品で、饒舌で楽しく豊かなステージが繰り広げられる。日本初演。

休憩20分

シンフォニー・イン・スリー・ムーヴメント (振付:バランシン 音楽:ストラヴィンスキー)
スターリン・ヒルテン、ミーガン・ルクローン、アビ・スタフォード
アダム・ヘンドリクソン、エイドリアン・ダンチグ=ワーリング、アマール・ラマザール
バランシン振付。多くのダンサーが舞台に立つが大所帯になっても洗練さは決して失われず、揃った動きの迫力に圧倒される。小粋なセンスが持ち味のNYCBが持つ、正統派というもうひとつの顔で大人数による一糸乱れぬアンサンブルを見せてくれる。

2009-10-13 00:01
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ラ・バヤデール 東京バレエ団 [バレエ]2009-09-25 [バレエ アーカイブス]


 東京バレエ団がナタリア・マカロワを招き、ミラノ・スカラ座の衣裳と舞台装置を借りて、『ラ・バヤデール』を上演するというので仕事を休んで上京した。ミラノ・スカラ座のオペラの来日公演のタイミングにあわせて初上演とは、さては運送賃を節約したか、レンタル料はお友達価格?などと下世話な想像をしてしまった。ABT、英国ロイヤルオペラ、ミラノ・スカラ座と一流の歌劇場で取り上げられているナタリア・マカロワの改訂演出版の日本の団体によって初めて上演された。もちろん新国立劇場でも上演されているが、やはりナタリア・マカロワ版の簡潔でありながら、登場人物の気持ちが素直に伝わってくるのが心地よい。

 天使の初『ラ・バヤデール』は、英国ロイヤルバレエの来日公演で、あの熊川哲也がブロンズ・アイドルを踊り、客席を大興奮させた時である。あの時はNHKのニュースにも登場したりして、大きく報道されたものである。確か初日を観たはずなのだが、誰が主演したかまったく記憶がないが、熊川哲也の強烈な印象だけが残っている。それから20年近くが経って、場所も同じ東京文化会館で東京バレエ団が『ラ・バヤデール』を上演する日がくるとは思わなかった。

 その舞台成果は、さすがに5月からアシスタントによる稽古を一ヶ月積み、さらに世界バレエフェスティバル後、演出・振付を担当したナタリア・マカロワによる直接指導を受けただけあって、完成度の高い、見応えのある舞台に仕上がっていたのは何よりだった。それも外国からゲストダンサーを招かずに、東京バレエ団のプリンシパルだけで上演を成し遂げた意義は大きい。新演出の初日だけに、緊張感からか、固さや失敗はあっても、大きな瑕にならずにすんだのは幸いだった。

 特に第2幕のいわゆる「影の王国」の完成度の高さは、ひとえにたゆまぬ努力と研鑽を惜しまなかったに違いないコールド・バレエの一糸乱れぬ美しい動きと、ニキヤを踊った上野水香の情感あふれる見事な踊りの力による。愛する者を失った悲しみ、辛さなど、さまざまな感情を静かに観客に伝える演技は、マカロワの直接の指導による賜物だろうと思う。とかくテクニックなど目に見える部分に観客の興味も移りがちだが、バレエの持つ力は、言葉を使わずに、音楽と身体表現だけで感情を表すのだということを思い起こさせてくれた。それだけ上野水香には、観客に伝えるべき“何か”があり、それを的確に伝える力をもっていたのである。

 それは第3幕のニキヤの登場時にもいえて、人間ではない“神性”を備えた者として出現した。第1幕では人間、第2幕では幻想の中に現れる理想の姿、第3幕では、この世の者ではない存在と、踊り分けたのである。それは腕から手先にかけての動きに表現されていて、それぞれ異なる動きをさせていたことに気がついて感動させられた。

 対するソロルは、東京バレエ団の副芸術監督でもある高岸直樹である。年齢的には負担の大きい役であるはずで、過酷な要求がされたものと思われるが、見事にこたえていたことと、好サポートでガムザッディの奈良春夏をも、よく支えていた。残念なのはダンサーとしての“華”がないのが辛い。若さも足りなくて、大技の連続ではスタミナ不足かなとも思わせた。かつてはバレエ界きってのイケメンダンサーだったかれも、年齢を重ねて、ルックスの劣化が激しく、オヤジ度が上がってしまったことと、ダイエットしすぎなのか、稽古しすぎなのか、全体に骨ばってしまって見ているのが辛くなる瞬間が何度もあったことである。ここは、彼や木村和夫、後藤春雄につづく男性プリンシパルの誕生を期待したいところである。

 かつて熊川哲也も踊ったブロンズ像は松下祐次が踊った。爆発的なパワーや驚くべき跳躍力こそないが、若手の登竜門としての大役を見事に果たし、東京バレエ団の男性ダンサーの心意気をみせたというかんじである。実に爽快で清潔な踊りだと思った。カーテンコールでの、他のダンサーに金粉?をつけてshまわないように手を繋がないなど、ステージマナーも好印象だった。
 
 主役三人のうち、ガムザッディを踊った奈良春夏は、斉藤、吉岡、上野に続く女性ダンサーなのだと思う。しかしながら好不調の違いがはっきり現われたようで、特に第1場の第2場では、他の場面と違って自分だけで踊る部分に情熱的なものが一切感じられずに平凡な出来に終始してしまったのは、初日の緊張感を差し引いても容認できないレベルだったと思う。それ以外の場面は健闘していただけに惜しい。

 ミラノ・スカラ座からレンタルされた舞台美術と衣裳は、いかにも使い込まれたもののようで、日本でよくありがちな、さっき出来たばかりです感がなく色彩に落ち着きがあって好印象。ベンジャミン・ポープ指揮の東京シティフィルハーモニック管弦楽団は、最初は金管がブホブホ咆哮して心配されたが、大きな失敗もなく過もなく不可もなしといったところだった。


 カーテンコールには、予想通りにナタリア・マカロワがアシスタントのオルガ・エヴレイエフとともに登場。芸術監督の飯田宗孝から、それぞれ赤とピンクの花束が贈られた。40年ぶりの来日で、実際に踊る姿を見る機会はついになかったが、伝説のバレリーナの姿を見られて感激。

 帰りの電車では、会場で発売されていたダンスマガジンの最新号の「世界バレエフェスティバル」を読みふける。お隣にすわった外国人の女性は、なにやらコンサートのプログラムを読んでいた。ちょっとのぞくとサントリーホールでウィーンフィルを聴いてきたらしかった。伝説のタダンサーと世界一のオーケストラが同じ日に東京にいるというのも面白く思った。

東京バレエ団創立45周年記念公演VII
東京バレエ団初演
マカロワ版「ラ・バヤデール」(全3幕)

振付・演出:ナタリア・マカロワ(マリウス・プティパ版による)
振付指導:オルガ・エヴレイノフ
装置:ピエール・ルイジ・サマリターニ
衣裳:ヨランダ・ソナベント

◆主な配役◆

ニキヤ(神殿の舞姫):上野水香
ソロル(戦士):高岸直樹
ガムザッティ(ラジャの娘): 奈良春夏
ハイ・ブラーミン(大僧正): 後藤晴雄
ラジャ(国王):木村和夫
マグダヴェーヤ(苦行僧の長):横内国弘
アヤ(ガムザッティの召使):松浦真理絵
ソロルの友人:柄本弾
ブロンズ像:松下裕次

【第1幕】

侍女たちの踊り(ジャンベの踊り):矢島まい、川島麻実子
パ・ダクシオン:
高村順子、佐伯知香、岸本夏未、阪井麻美
西村真由美、乾友子、高木綾、渡辺理恵
柄本武尊、柄本弾

【第2幕】

影の王国(ヴァリエーション1):田中結子
影の王国(ヴァリエーション2):佐伯知香
影の王国(ヴァリエーション3):高木綾

指揮: ベンジャミン・ポープ
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽

◆上演時間◆

【第1幕】 18:30 ~ 19:35
休憩 20分
【第2幕】 19:55 ~ 20:35
休憩 20分
【第3幕】 20:55 ~ 21:15

2009-09-25 23:36
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第12回世界バレエフェスティバル 特別プロ <オマージュ・ア・ベジャール> [バレエ]2009-08-18 [バレエ アーカイブス]

 第12回世界バレエフェスティバルも特別プロの「オマージュ・ア・ベジャール」と名づけられた公演で終了である。もっとも特別プロとはいうものの実質は東京バレエ団の創立45周年記念公演の一環なのだともいえる。日本のバレエ団で、ベジャールの振付作品を唯一上演できる団体であり、「ザ・カブキ」「M」などオリジナル作品を世界初演した縁もあって、ジル・ロマン、エリザベット・ロス、マニュエル・ルグリ、ローラン・イレールらのゲストを迎えベジャール作品を集中的に上演してくれたのは嬉しい出来事である。

 前半と後半に分かれたプログラムになっていて、前半は「ルーミー」「鳥」など、東京バレエ団初演の作品を含んだベジャール作品のアンソロジー集といった趣で、ベジャール自身もたびたび過去の作品を集めてひとつの作品にする手法を使っていたが、今回はジル・ロマンがすべての舞台を支配し、采配するという形式で上演された。

 幕が上がると、シャンソンが流れる中、舞台中央に男が横たわっている。ジル・ロマン自身なのだともいえるし、またベジャールが彼の身体を借りて蘇ったのだと思えないこともない。彼は下手に設けられた黒い箱に腰かけて舞台を注視することで舞台が進んでいくことになる。

 最初の作品は「ルーミー」で、モーリス・ベジャール・バレエ団によって日本初演されているのだが、今回東京バレエ団のレパートリーとなるく初上演された。白いスカートのような衣裳をひるがえしてのジャンプや回転は、一糸乱れぬ見事さで美しかった。男性ダンサーが活躍する場面が多いのはベジャールのバレエ作品の特徴だったりするが、美青年が集められた?モーリス・ベジャール・バレエ団に負けず劣らず、東京バレエ団も美しいダンサーが集められているようには思えた。もう少し同性愛というか少年愛的な香りが立ちのぼってくれば完璧であろう。

 つづいては「ザ・カブキ」から由良之助のソロである。もう23年前になる日本初演以来、久しぶりに観る「ザ・カブキ」となった。仇討ちの決行を誓う大事な場面らしい。初演のときはエリック・ヴ=アンの由良之助で観ているのだが、困ったことにあまり記憶にない。歌舞伎ファンから観ても、バレエファンから観ても、かなり微妙な作品だったように思う。果たして後生大事にレパートリーとして持っている価値があるのかどうか…。黛俊郎の音楽は不思議にあっているように思え新鮮に響いた。

 後藤晴雄の由良之助からは、このバレエに最も必要とされるはずの情熱はあまり感じられず、なんとか最後まで踊り通してくれと祈るような気持だった。早くからベジャール作品の重要な作品に起用されているベジャールのお気に入り?のダンサーだったようだが、兄弟で踊っていて後藤和雄というダンサーもいたはずだが、最近は見かけないがどうしてしまったのだろう?

 ルーミに出演していたダンサーも衣裳を変えずにそのまま出演していて、全速力で疾走していくようなスピード感があり、前の作品のつながりとしては効果的だったと思う。

 ベジャールの晩年の大傑作「バレエ・フォー・ライフ」から、最も成功していたパートである「ボーン・トゥ・ラブ・ユー」がエリザベット・ロスによって踊られた。「ボーン・トゥ・ラブ・ユー」は、日本でCMに起用され人気が再燃する前に作品に使われたので、ベジャールには先見の明があったということだろうか。

 ロスが素晴らしいのは、作品への愛着、敬愛の念、直接ベジャールから指導を受けた誇り、それを守っていく責任といったものが感じられ、ダンス全体から情熱が満ちあふれていたことである。短かったけど観客には強烈な印象を残したに違いない。ベールを剥ぎ取るという演技でジル・ロマンも参加していて、ベジャール自身も愛着のあった作品に華を添えた。

 「鳥」は椅子を持った黒い衣裳の女性ダンサーと男性ソロで踊られる作品で、1982年の来日公演「エロス・タナトス」がテレビ放送されたのを観ている。懐かしやパトリス・トゥーロンが踊っていたそうな。今日の男性ソロは高岸直樹がのびのびと踊っていて、歳を感じさせなかったのはお手柄だった。デビュー当時は、ジャニーズ系?といわれた彼も芸術監督補で貫禄がでてきたということだろうか。

 そしてジル・ロマンが上半身裸で椅子を持って登場。舞台中央に置くと、マーラーの交響曲第五番第4楽章「アダージェット」が流れはじめた。以前なら曲が始まっただけで涙がポロポロと条件反射のようにこぼれ嗚咽をこらえきれなかったものだが、こちらに過剰な思い入れがなくなったからか、それともベジャールの不在が響いたのか、なかなか作品の中に入っていけなかった。これが最後の「アダージェット」になるかもしれないのに、どうしてしまったのか?

 音楽が高まり、最後の盛り上がりをみせると、涙がひと筋流れたと思うと、後は…。涙があとからあとから止まらなくなった。さすがにこのままではロビーにも出られないので、化粧室に飛び込んで後はロビーで放心状態のまま過ごした。ベジャールのバレエは、物語性の強いモダンな作品だけれども、舞台上で繰り広げられるドラマをいかようにも解釈できる部分があって、これまでは自分に引き寄せて観ていたのだと思う。最愛の彼、その彼と食事をしていて偶然に出会ったベジャール。今回は、そんな思い出が一気に渦巻いて押し寄せたような気がした。

 たぶん生涯最後のジル・ロマンの「アダージェット」は、忘れられない思い出を残して終わった。切なさよりも爽やかな気分だったのは、バレエはダンサーと観客が同じ時間を共有しなければ何も生まれないのを悟ったからだと思う。一期一会というのは、再現が不可能な舞台芸術には常についてくる言葉だけれど、生きている舞台をこそ愛し続けたいと強く思った。

 休憩の後は、ジル・ロマンは登場しなくてベジャールの名作選という趣である。最初はベジャールから2000年に贈られたという「バクチⅢ」である。今から40年も前に世界初演された作品であるという。確かに従来のバレエの概念からは遠い作品で、いささか刺激的なポーズがくり返され、初演当時はかなり衝撃的で革新的な作品であったと思われた。木村和夫と吉岡美佳のペアは、技巧的にも表現においても高度な要求をされたであろう振付をよくこなしていたように思った。


 そしてマーラーの歌曲「さすらう若者の歌」にあわせて男性2名によって踊られる。ヌレエフが初演したものだが、ヌレエフがパリ・オペラ座で活躍した最後の時期にエトワールに昇進した二人が、キャリアの最後に踊ることになったのは興味深い。ともに一時代を築いたダンサーだけに表現力は申し分なく、この作品を二人で踊るのも最後なのだと思うと感慨深いものがあった。

 「アダージェット」と同じく過剰な思い入れで感動するよりも、作品の持つ力に魅せられたように感じた。だから手応えは十分で、感動は表層的なものではなく、終演後もいつまでも心に残る深いものとなった。イレールがルグリに手を引かれ、舞台奧へ歩き出しながら振り返った顔のなんともいえない表情が忘れられない。何を訴えていたのだろうか…。しばらく答えは出せそうもない。

 「ボレロ」はジョルジュ・ドンとシルヴィ・ギエムでしか観たことがない。世界バレエフェスティバルのガラ公演のドン最後の「ボレロ」とギエムが日本で最初に踊った「ボレロ」の感動はいまも色あせることがない。特にあの時のボレロの挑みかかるような「ボレロ」は、いままででいちばん感動したバレエだと断言できる。その後に踊られた彼女の「ボレロ」は、初上演を超えることはとうとうなかった。

 東京バレエ団による「ボレロ」を観る機会もあるにはあったが、どうしても食指が動かなかったのは、ギエムの記憶が鮮烈に残っているからである。上野水香は、世界バレエフェスティバルに初参加した。一流のダンサーが入れ替わり立ち替わり登場し、それぞれダンサーの実力を比較できるという破格の催しのなかにあって、「ジゼル」「黒鳥のパ・ド・ドゥ」「ドン・キホーテ」など、他のダンサーたちと圧倒的な差を見せつけられるという現実に直面したわけだが、ようやく「ボレロ」になって彼女の本領を発揮できたようである。カリスマダンサーが強烈なオーラを放って踊るソロよりも、アンサンブル重視?というか周囲とのバランスがとれた配役であるだけに、作品の持っている力だけで観客を熱狂させたような気がする。

 いつもはソロにどうしても集中してしまうのだが、今回はすべてのダンサーを視界に捕らえて全体のバランス、劇的な高揚など、小粒になったような気もしたが、この作品の別の面を発見したように思う。それでも最後には、興奮と感動があって、「ああ、観て良かった」と思えたのは何よりだった。

 通常の「ボレロ」のカーテンコールの後、カーテンコールには第一部の出演者も全員登場。ダンサー達が舞台の上部に手を差し伸べると、いささか小さめなモニターが降りてきて、カーテンコールに応えるベジャールの姿が映し出された。意外な登場の仕方だったので驚くやら感動するやら、たまらず立ち上がって拍手を贈った。何度もくり返されたカーテンコールが終わると、幕内から拍手が湧き起こった。今日はすべての千秋楽である。こうして3年に一度のバレエの祭典が終わりを告げた。

世界バレエフェスティバル 特別プロ
<オマージュ・ア・ベジャール>
2009年8月17日(月)
東京文化会館

振付:モーリスベジャール
構成:ジル・ロマン
振付指導:小林十市、那須野圭右

◆主な配役◆

<第一部>

「ルーミー」 音楽:クドシ・エルグネル
高橋竜太、平野玲、松下裕次、氷室友、長瀬直義、横内国弘、
小笠原亮、宮本祐宜、梅澤紘貴、中谷広貴、安田峻介、
柄本弾、佐々木源蔵、杉山優一、岡崎隼也、八木進

「ザ・カブキ」より由良之助のソロ 音楽:黛 敏郎
後藤晴雄

「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」 音楽:クイーン
エリザベット・ロス

「鳥」 音楽:マノス・ハジダキス
高岸直樹
高村順子、西村真由美、乾友子、佐伯知香、高木綾、奈良春夏、田中結子、
村上美香、岸本夏未、阪井麻美、矢島まい、渡辺理恵、川島麻実子、加茂雅子

「アダージェット」 音楽:グスタフ・マーラー
ジル・ロマン


<第二部>

「バクチIII」 音楽:インドの伝統音楽
シャクティ:吉岡美佳
シヴァ:木村和夫

「さすらう若者の歌」 音楽:グスタフ・マーラー
ローラン・イレール、マニュエル・ルグリ

「ボレロ」 音楽:モーリス・ラヴェル
上野水香
平野玲、松下裕次、長瀬直義、横内国弘

◆タイムテーブル◆

第一部 18:30-19:25
休憩 20分
第二部 19:45-20:25


2009-08-18 22:06
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第12回世界バレエフェスティバル ガラ・パフォーマンス [バレエ]2009-08-15 [バレエ アーカイブス]

 17時に始まって23時直前に終演となった『第12回世界バレエフェスティバル ガラ・パフォーマンス』の長いカーテンコールを早めに切り上げて東京文化会館の楽屋口の前を通ると、NBSの佐々木忠次氏が車に乗り込むところだった。御御足がご不自由なのか美青年に腕を支えられて移動されていた。素晴らしい公演を我々に贈ってくれた方である。また天使が「劇場の天使」になったのも彼のおかげである。ある意味、大恩人なのである。彼がいなければオペラやバレエを観ることもなかったと思うのである。カルロス・クライバーが最後に指揮した『ばらの騎士』も、ジョルジュ・ドンが最後に踊った世界バレエフェスティバルのガラ公演の『ボレロ』に出会うこともなかったであろう。一言御礼が言いたいし、握手してみたいと心底思った。

 さすがに、それはできなかったけれど、感謝の気持ちはいつまでも消えることがない。佐々木氏は「劇場の天使」の産みの親といえる。30年前、ある場所で佐々木氏を見かけた。もちろん、どこの誰とも知らず、多くの外国人と食卓にいて談笑していた。優秀な商社マンが商談中?とも思ったが、佐々木氏からは今まで感じたことのない強烈なオーラを感じた。彼は一体何者なんだろう?

 1年ほどが経った9月、国立劇場で文楽を観て自宅に戻ろうとしたが電車まで時間があったので上野公園を散歩した。すると文化会館に着飾った人たちがどんどん吸い込まれていっていた。何事だろうか?その人たちについていくと、ミラノスカラ座の「シモン・ボッカネグラ」の公演の日だったのだ。そういえば昨夜は、偶然にNHKホールから生中継されたクライバー指揮の『オテロ』を聴いた。受付をみると1年前強烈な印象を残した紳士がいた。彼はこういう仕事をしていたのか!なんだか嬉しくなったのと、観たこともないオペラへの興味で少々高かったが当日券を買って、オペラを観ることにした。アバド指揮、フレーニ、ギャウロフ、カップチェッリと当時の世界最高の舞台芸術だったから当たり前なのだが、完全にオペラの虜となり、佐々木氏が招聘するバレエを観るようになったのだった。それが、どんなに豊かで幸福な人生になったことだろうか。だから佐々木氏が恩人なのだ。しかも佐々木氏は、天使の実の父親に顔が似ているのである。

 世界バレエフェスティバルは、世界の一流ダンサーが勢揃いして、有名作品のパ・ド・ドウや現代作品を次々に披露していく3年に一度の催しである。Aプロ、Bプロそれぞれ4時間に及ぶ長い公演が各4回。さらに一日限りのガラ公演は、普通のプログラムよりさらに多くの作品が踊られ、本公演の終了後に出演者による歌舞伎でいうところの「天地会」があるのである。そのため人気が高く、抽選でチケットが販売される。公演を観ることができるのは、本当に運の良い人々なのである。

 さて第1部は、グレアム・マーフィーが振付した「白鳥の湖」第1幕よりパ・ド・トロワから始まる。登場人物をダイアナ妃、チャールズ王子に見立てた異色作。三角関係を絶妙の振付でみせて面白い。オーストラリアバレエ団のルシッダ・ダン、レイチェル・ローリンズ、ロバート・カランの三人が緊密な世界を描き出していた。

 ローラン・プティ振付の「カルメン」を踊ったのは英国ロイヤルバレエのタマラ・ロホとフェデリコ・ボネッリのペア。衣裳と振付にプティのテイストが感じられ、少々長い気きもしたが充実した舞台成果を残したように思う。

 ニコラ・ル・リッシュがソロで踊ったのはジェローム・ロビンズ振付の「ダンス組曲」である。バッハの無伴奏組曲によって踊られるのだが、舞台上では遠藤真理がチェロを演奏する。どうしてもチェロが気になってしまって、踊りまでに神経がまわらなくて集中できなかったのが心残りである。バッハの無伴奏組曲は、元々は舞曲なのだそうで、そうした意味でも興味深かったのだが…。

 ハンブルグ・バレエのジョン・ノイマイヤー振付「いにしえの祭り」を踊ったのは同団のエレーヌ・ブシェとティアゴ・ボァディンで、Aプロ、Bプロでも名演を残したが、今回も独特の世界を描き出し印象深かった。

 来春のパリ・オペラ座バレエ団の上演演目でもある「ジゼル」より第2幕のパ・ド・ドゥを踊ったのは、アニエス・ルテステュとジョゼ・マルティネスである。第1部では、唯一の古典作品だがパリ・オペラ座の底力を見せつけられたような感じで、美しさは比類がなく切なさが胸に迫り素晴らしい舞台となった。

 第2部の開幕は、バランシン振付の「ジュエルズ」よりダイヤモンドをディアナ・ヴィシニョーワとウラジーミル・マラーホフが踊った。まさにダンサーは宝石なのだと思った。音楽も、衣裳も、なにもかも美しい世界が広がった。

 モーリス・ベジャール振付の「カンティーク」は、ユダヤの伝承音楽によるもので、ジル・ロマンとエリザベット・ロスによって踊られた。この公演をはじめ数々のベジャール作品に接してきたのだが、もう新しい作品は生まれないのだと思うと胸に迫るものがあった。16日、17日はジル・ロマンが最高傑作の「アダージェット」を踊るが、これが最後かもしれないと思うと楽しみな反面、寂しくもある。

 ポリーナ・セミオノワとフリーデマン・フォーゲル のそれぞれドイツの著名なバレエ団のメンバーが踊ったのは、グゾフスキーの「グラン・パ・クラシック」で、以前はこうした公演でよく踊られていたように思うが久しぶりで懐かしい気がした。ただし、他のペアに比べるとしっくりこなかったように思う。

 ラッセル・マリファント振付の「TWO」は何度も観ているが、そのたびに発見があり新鮮に感じる。ギエム自身の成長もあるし、観客である天使も成長しているのだろうか?光の矢のように照明に照らされた手や足が空間を切り裂くたびに戦慄が走った。本当に凄い物を観てしまった感じである。ギエムには、もっともっと高みを目指して観客を異次元へ誘って欲しい。

 大好きなオレリー・デュポンとマニュエル・ルグリが踊ったのはバランシン振付の「ソナチネ」である。ラヴェルのピアノ曲に合わせて踊られる美しさは比類のないものだった。派手さはないが、こうした演目で観客を満足させるのが、本物のダンサーなのだと思った。

 今回の台風の目、マリア・コチェトコワとダニール・シムキンは「海賊」で場内を再び興奮のルツボにした。かつへ「海賊」といえばフエルナンド・ブフォネスという時代が続いたが、これからはシムキンなのかも。意外に身体が華奢なのと童顔なのに驚く。一体何処にあんなパワーがあったのだろう。カーテンコールは3回(普通は2回)最後はシムキンがジャンプして登場して、客席が大きくどよめいた。

 第3部はブルノンヴィル振付の「ラ・シルフィード」から始まる。ナターリヤ・オシポワとレオニード・サラファーノフのペアで、コチェトコワとシムキンとともに今回の注目株だったのだが、テクニックはともかく、表現力が安定していて、コチェトコワとシムキン組にちょっと差をつけていたかも。

 ノイマイヤー振付のソロ「アルミードの館」よりシャムの踊りは、ティアゴ・ボァディンが民族衣装?で踊った。なかなか印象の薄い彼だったが、最後に実力を知らしめたといったところだろうか。

 ここからはシェイクスピア作品がつづく。ワシーリエフ振付の「マクベス」は、スヴェトラーナ・ザハロワとアンドレイ・ウヴァーロフが踊った。手足が長く舞台映えする人達なのだが、振付や衣裳が今ひとつピンとこなかったので印象が意外にも薄い。

 シオマラ・レイエスとホセ・カレーニョは、マクミラン振付の「ロミオとジュリエット」より "寝室のパ・ド・ドゥ"
である。レイエスのジュリエットが本当に少女のようで、去っていくロミオを見送った演技に泣かされた。実に切なかった。

 クランコ振付の有名な「じゃじゃ馬馴らし」のパ・ド・ドゥである。ハイデとクラガンが玉三郎も出演したMETのガラで踊った「じゃじゃ馬馴らし」の映像は天使の宝物である。何回観たかわからないほど大好きバレエである。二人が心を通い合わす瞬間には思わす涙ぐんでしまった。全幕を久しぶりに観たくなった。来日しないのかなあ。

 第4部はヤーナ・サレンコとズデネク・コンヴァリーナの「パリの炎」である。Bプロのシムキンが素晴らしかったので、比較されて可哀想なのだが、誠実に踊っていたという印象。やはり爆発してくれないと、数々の名舞台が続く中では厳しい。

 マクミラン振付の「三人姉妹」はマリアネラ・ヌニェスとティアゴ・ソアレスの英国ロイヤルバレエ団のペア。演劇の国のバレエだけあって、劇的な盛り上がりがあって素晴らしい。英国という王をいただく国と、かつて王国だったロシアが舞台のチェーホフの作品だけあって、相通じるところがあるのかもなどと想像しながら観た。

 ルグリがソロで踊ったのは「ザ・ピクチャー・オブ」である。冒頭にクジラの鳴き声が流れるが、意外にバレエ似合っているのが面白かった。クラシックの殿堂である東京文化会館にクジラの声が流れるというのも異例なことなのだろうなと思った。今回ステージマナーが一番良かったのはルグリで、幕前で上手、下手、中央と挨拶するのは観客に親切だと思った。

 オレリー・デュポンとローラン・イレールが踊ったのはプロコフィエフの音楽に乗せた「ロミオとジュリエット」で、墓場でジュリエットが亡くなったことを嘆き、自ら命を絶つところと、ジュリエットが蘇生して最愛の人の死を嘆きリストカットして自殺するまでを描いている。プレルジョカージュ振付の本作は、確かリヨン・オペラ座によって日本公演もされて観に行った記憶があるのだが、ドラマの濃密なのはパリ・オペラ座に軍配があがったように思う。

 アシュトン振付の「春の声」は、アリーナ・コジョカルとヨハン・コボーの英国ロイヤルバレエのペア。花吹雪を手のひらから散らす美しさは見物だった。見事なリフトで楽しませてくれた。

 トリは東京バレエ団の上野水香とデヴィッド・マッカテリの「ドン・キホーテ」である。今までの世界フェスティバルでも、数々の名演と興奮を生んだだけに期待されたが、上野にはバランスで絶妙な表現をみせたが、全体的には低調だったように思う。後の演目が凄かったので、細部は忘れてしまったが、オーケストラが少人数で演奏するような編曲?になってるのと、遅めのテンポだったのだけは覚えている。

 次はガラ公演のお楽しみな演目でちょっとびっくりな展開。メイクが濃すぎて?誰が誰やら判らない女装ダンサーたちの活躍もだが、ヴィシニョーワのアルブレヒト、ランケデムはコチェトコワ、オシポワのパリの炎など、女性ダンサーも負けてはいなかった。アイシュヴァルトの青い鳥が踊ろうと思った瞬間に、指揮者のワレリー・オブジャニコフが扮した猟師に撃たれたのが面白かった。

 そして圧巻は「ラ・バヤデール」かの影の王国!背景が上がるとスロープを設置しているスタッフが見えてしまったりして最初から波乱の展開。ジョゼ・マルティネスの驚異的なテクニック、相変わらずノリノリのホセ・カレーニョとか、とにかく大笑いさせられた。もっとも若手中心のパフォーマンスで、本当のスター達は登場しないのが少々残念。昔はハイデなど率先してパフォーマンスを披露したものなのだが…。ギエムやザハロワのおふざけ振りを観てみたい気もした。

 上演時間が約6時間とはワーグナーの楽劇よりも長いのだが、最後まで飽きさせずに舞台に釘付けだったのは、世界の一流ダンサーにより全力投球の舞台だったからにほかならない。3年後にも必ず観に行きたいのだが、休憩時間のトイレの想像を絶する大行列はなんとかならないものだろうか。休憩時間が一気に興ざめになるので困る。入口でオルラーヌのクリームが試供品で配られていてちょっと得?した。

世界バレエフェスティバル [ガラ] 
8月13日(木)17:00開演  会場:東京文化会館

■第1部■ 17:00~18:00

序曲「戴冠式行進曲」 (ジャコモ・マイヤベーア作曲)

「白鳥の湖」第1幕よりパ・ド・トロワ
振付:グレアム・マーフィー/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ルシンダ・ダン レイチェル・ローリンズ ロバート・カラン

「カルメン」
振付:ローラン・プティ/音楽:ジョルジュ・ビゼー
タマラ・ロホ フェデリコ・ボネッリ

「ダンス組曲」
振付:ジェローム・ロビンズ/音楽:J.S.バッハ
ニコラ・ル・リッシュ

「いにしえの祭り」
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:リヒャルト・シュトラウス
エレーヌ・ブシェ ティアゴ・ボァディン

「ジゼル」より第2幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジャン・コラーリ /ジュール・ペロー/音楽:アドルフ・アダン
アニエス・ルテステュ ジョゼ・マルティネス

<休憩20分>

■第2部■ 18:20~19:35

「ジュエルズ」よりダイヤモンド
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ディアナ・ヴィシニョーワ ウラジーミル・マラーホフ

「カンティーク」
振付:モーリス・ベジャール/音楽:ユダヤの伝承音楽
エリザベット・ロス ジル・ロマン

「グラン・パ・クラシック」
振付:ヴィクトール・グゾフスキー/音楽:ダニエル・オーベール
ポリーナ・セミオノワ フリーデマン・フォーゲル

「TWO」
振付:ラッセル・マリファント/音楽:アンディ・カウトン
シルヴィ・ギエム

「ソナチネ」
振付:ジョージ・バランシン/音楽:モーリス・ラヴェル
オレリー・デュポン マニュエル・ルグリ

「海賊」
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ
マリア・コチェトコワ ダニール・シムキン

<休憩15分>

■第3部■ 19:50~20:40

「ラ・シルフィード」
振付:オーギュスト・ブルノンヴィル/音楽:H.S.レーヴェンスヨルド
ナターリヤ・オシポワ レオニード・サラファーノフ

「アルミードの館」よりシャムの踊り
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:ニコライ・チェレプニン
ティアゴ・ボァディン

「マクベス」  
振付:ウラジーミル・ワシーリエフ/音楽:キリル・モルチャノフ
スヴェトラーナ・ザハロワ アンドレイ・ウヴァーロフ

「ロミオとジュリエット」より "寝室のパ・ド・ドゥ"
振付:ケネス・マクミラン/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
シオマラ・レイエス ホセ・カレーニョ

「じゃじゃ馬馴らし」
振付:ジョン・クランコ/音楽:クルト・ハインツ・シュトルツェ
マリア・アイシュヴァルト フィリップ・バランキエヴィッチ

<休憩15分>

■第4部■ 20:55~21:55

「パリの炎」
振付:ワシリー・ワイノーネン/音楽:ボリス・アサフィエフ
ヤーナ・サレンコ ズデネク・コンヴァリーナ

「三人姉妹」
振付:ケネス・マクミラン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
マリアネラ・ヌニェス ティアゴ・ソアレス

「ザ・ピクチャー・オブ」
振付:パトリック・ド・バナ/音楽:ヘンリー・パーセル
マニュエル・ルグリ

「ロミオとジュリエット」
振付:アンジュラン・プレルジョカージュ/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
オレリー・デュポン ローラン・イレール

「春の声」
振付:フレデリック・アシュトン/音楽:ヨハン・シュトラウス
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー

「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス
上野水香 デヴィッド・マッカテリ

指揮:ワレリー・オブジャニコフ 
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団  
ピアノ:高岸浩子
チェロ:遠藤真理

「ジゼル」 ジゼル:マラーホフ、アルブレヒト:ヴィシニョーワ
「海賊」 ランケデム:コチェトコワ、ギュリナーラ:シムキン
「眠り」 フロリナ:サラファーノフ、青い鳥:アイシュヴァルト、狩人:オブジャニコフ(指揮者)
「海賊」 オダリスク:マッカテリ、コンバリーナ、バランキエヴィチ
「パリの炎」 オシポワ
「ラ・バヤデール」影の王国:マルティネス、カレーニョ、ソアレス(ブラジル国旗)、ボアディン、レイエス、フォーゲル、カラン、ボネッリ、セミョーノワ、ブシェ

フィナーレ 「眠れる森の美女」よりアポテオーズ (ピョートル・I.チャイコフスキー作曲)

手拭いまき  全員

2009-08-15 00:04
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第12回世界バレエフェスティバル プログラムB  [バレエ]2009-08-09 [バレエ アーカイブス]

プログラムBは、発表されていたものから一部のプログラムが変更になった。ポリーナ・セミオノワとフリーデマン・フォーゲルは、ロナルド・ザコヴィッチ振付の「トランスパレンテ」から同じ振付家の「アレキサンダー大王」へ。アリーナ・コジョカルとヨハン・コボーは、マクミラン振付の「マノン」より“沼地のパ・ド・ドゥ”から同じ「マノン」より第1幕のパ・ド・ドゥへ。これはプログラムにすでに発表されていた。そしてシオマラ・レイエスとホセ・カレーニョは、マクミラン振付の「ロミオとジュリエット」より“バルコニーのパ・ド・ドゥ”から「海賊」より“寝室のパ・ド・ドゥ”という地味な演目に変更になってしまった。理由は不明だが、いずれも内容が充実していたのは何よりだった。

 第1部が新顔のダンサー中心に古典から名作のレパートリーを。第2部がノイマイヤー、フォーサイス、グレアム・マーフィー、マクミラン、マッツ・エック、イリ・キリアンと著名な振付家の作品を集めたプログラム。第3部がプティパの3作品とベジャール、クランコ、アンジェラン・プレルジョカージュの作品という凝ったプログラムであった。

 世界バレエフェスティバルらしい超絶技巧を披露したのは「パリの炎」のコチェトコワとシムキン組と「エスメラルダ」のロホとボネッリ組であった。もっとも「パリの炎」は、第8回に登場したタバレス=デニスとボアダに比べればまだまだといった具合だし、ロホならもっともっとできるような気がしたので、そんなに客席が熱狂するほどには興奮しなかった。

 それではどの作品が最も感動させてくれたかというとAプロに続いてオレリー・デュポンとマニュエル・ルグリが踊ったイリ・キリアンの「ベラ・フィギラ」だった。ルグリが素晴らしいのは当たり前?だが、デュポンの充実には目を見張った。とにかく舞台で次々に繰り出すダンスが美しいのである。現代作品なので様々なポーズというか動きが出てくるのだが、ため息のでるほど美しく二人が輝いて見えたのである。キリアンの作品の美点を余すところなく見せて圧倒的な完成度を示したと思う。

 次に心に残ったのはクランコの名作「オネーギン」より第3幕のパ・ド・ドゥを踊ったアイシュヴァルトとバランキエウィッチのシュツットガルト・バレエ団のペアであり、ベジャールの「ブレルとバルバラ」を踊ったエリザベット・ロスとジル・ロマンのペアであり、ノイマイヤーの「ナイト・アンド・エコー」を踊ったブシェとボァディンのハンブルグ・バレエ団のペアである。それぞれ所属するバレエ団を代表して最も得意とするレパートリー演目なのだから当然といえば当然なのだが、世界バレエフェスティバルらしい目配りのよさで堪能させてくれた。

 第1部はAプロと同じく「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」で始まった。ヌニュスとソアレスのロイヤルバレエ組は、超絶技巧でというよりも丁寧にバランシンの名作をこなしたという印象である。続くサレンコとコンヴァリーナの「コッペリア」はサレンコが素晴らしかった。セミオノワとフォーゲルの「アレキサンダー大王」は黒の衣裳が印象的で近い将来に全幕物になるらしいが、期待できるの作品になるのではないだろうか。「海賊」はカレーニョに見せ場がなく、故障でもしたから演目が変更になったのではないかと心配したくらい短くあっさりと終わってしまって残念だった。上野水香とマッカテリの「白鳥の湖」より“黒鳥のパ・ド・ドゥ”は、次の「パリの炎」にすっかりさらわれてしまって華やかね演目なのに印象が薄かった。

 久しぶりの目にするフォーサイスの「スリンガーランド・パ・ド・ドゥ」は、ルテステュとマルティネスのパリ・オペラ座のペアで衣裳が変わっていたのが、いかにもフォーサイスらしいと思った。オーストラリアバレエ団の三人はダイアナ妃をモデルにした三角関係?を描いた「白鳥の湖」第3幕よりは面白すぎ。全幕で観たかった。「マノン」の第1幕のパ・ド・ドゥはマスネのエレジーに合わせて踊られる。「マノン」のテーマともいわれるもので、沼地のパ・ド・ドゥでも流れるので、その関係性に興味を持つ。天使もチェロでよく弾くのでコジョカルとコボーに親しみがわく。マッツ・エックの「アパルトマン」より“ドア・パ・ド・ドゥ”は、2003年のガラでも踊られていて、その演技力はますます深化したようである。バレエの表現力は無限なのだと思った。

 第3部の「海賊」は期待のサラファーノフよりもオシポワの超絶技巧が凄かった。ヴィニニョーワとマラーホフの「ル・パルク」は派手な振付な部分もあるのに、とっても地味な印象でマラーホフの存在感は希薄だった。最後を飾った「ドン・キホーテ」はザハロワとウヴァーロフで超絶技巧で勝負というよりも抜群な存在感でという感じだった。

第12回世界バレエフェスティバル [プログラムB] 
8月9日(日)15:00開演  会場:東京文化会館

■第1部■ 15:00~16:10

序曲「戴冠式行進曲」 (ジャコモ・マイヤベーア作曲)

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
マリアネラ・ヌニェス ティアゴ・ソアレス

「コッペリア」
振付:アルテュール・サン=レオン/音楽:レオ・ドリーブ
ヤーナ・サレンコ ズデネク・コンヴァリーナ

「アレクサンダー大王」
振付:ロナルド・ザコヴィッチ/音楽:ハンス・ジマー
ポリーナ・セミオノワ フリーデマン・フォーゲル

「海賊」より "寝室のパ・ド・ドゥ"
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ
シオマラ・レイエス ホセ・カレーニョ

「白鳥の湖」より "黒鳥のパ・ド・ドゥ"
振付:マリウス・プティパ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
上野水香 デヴィッド・マッカテリ

「パリの炎」
振付:ワシリー・ワイノーネン/音楽:ボリス・アサフィエフ
マリア・コチェトコワ ダニール・シムキン

<休憩20分>

■第2部■ 16:30~17:35

「ナイト・アンド・エコー」
振付:ジョン・ノイマイヤー音楽:イーゴリ・マルケヴィッチ
エレーヌ・ブシェ ティアゴ・ボァディン

「スリンガーランド・パ・ド・ドゥ」
振付:ウィリアム・フォーサイス/音楽:ギャヴィン・ブライアーズ
アニエス・ルテステュ ジョゼ・マルティネス

「白鳥の湖」第3幕より
振付:グレアム・マーフィー/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ルシンダ・ダン レイチェル・ローリンズ ロバート・カラン

「マノン」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン/音楽:ジュール・マスネ
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー

「アパルトマン」より "ドア・パ・ド・ドゥ"
振付:マッツ・エック/音楽:フレッシュ・カルテット
シルヴィ・ギエム ニコラ・ル・リッシュ

「ベラ・フィギュラ」
振付:イリ・キリアン/音楽:アレッサンドロ・マルチェッロ
オレリー・デュポン マニュエル・ルグリ

<休憩15分>

■第3部■ 17:50~19:10

「海賊」
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ
ナターリヤ・オシポワ レオニード・サラファーノフ

「ル・パルク」
振付:アンジュラン・プレルジョカージュ/音楽:ヴォルフガング・A.モーツァルト
ディアナ・ヴィシニョーワ ウラジーミル・マラーホフ

「ブレルとバルバラ」  
振付:モーリス・ベジャール/音楽:ジャック・ブレル、バルバラ
エリザベット・ロス ジル・ロマン

「エスメラルダ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:チェーザレ・プーニ
タマラ・ロホ フェデリコ・ボネッリ

「オネーギン」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
マリア・アイシュヴァルト フィリップ・バランキエヴィッチ

「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ 音楽:レオン・ミンクス
スヴェトラーナ・ザハロワ アンドレイ・ウヴァーロフ

フィナーレ 「眠れる森の美女」よりアポテオーズ (ピョートル・I.チャイコフスキー作曲)

指揮:デヴィッド・ガーフォース
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団  
ピアノ:高岸浩子

2009-08-09 23:02
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第12回 世界バレエフェスティバル プログラムA [バレエ]2009-08-02 [バレエ アーカイブス]

7月の歌舞伎座で玉三郎と海老蔵の主演する『海神別荘』を観ていて、世界バレエフェスティバルに玉三郎が出演した時のことを思い出した。METのガラでバレエダンサーに混じって『鷺娘』を踊ったことはあっても、一応バレエというか日本舞踊とは違ったパフォーマンスを披露したのだった。ジョルジュ・ドンとの共演という特別枠だったとはいえ、Aプロではラフマニノフの音楽にのせ、自分自身が振付けた『紫陽花』のソロは天女のようだった。あのときのテイストが一連の鏡花物に受け継がれているの違いない。

 そのときのBプロではドンとの共同振付で『デス・フォー・ライフ』が踊られた。さらにガラでは、再び『紫陽花』が踊られ、ドンはサプライズで封印したはずの『ボレロ』を踊った。ガラ公演恒例の特別パフォーマンスでは、玉三郎が男装の麗人の紫の燕尾服にオールバックのヘアスタイルで、マリシア・ハイデと「二人でお茶を」を踊ったりした。公演は延々と続き終わったのは23時を過ぎていた。実に丸6時間もの公演だったのだ。あの時が初めてのガラ公演だったのだが、たった一回のガラ公演は毎回凄まじいチケットの争奪戦になる。幸いなことに、それ以降、毎回ガラ公演のチケットは手に入れることができている。

 今年もAプロ、Bプロ、ガラ、オマージュ・ア・ベジャールの公演にでかける。一番の楽しみは、たぶん最後になるかもしれないジル・ロマンの『アダージェット』とルグリ&イレールの『さすらう若者の歌』である。特に『アダージェット』は感動的な作品で毎回号泣してしまうのだが、いまいましいのは『愛陀姫』の最後に流れた「アダージェット」は、この作品を観て感動したからだ田中伝左衛門が語っていた。信じられない感性の持ち主ではある。

 さて今夏の第12回には、大物が初出演している。このところ新国立劇場への出演が多いザハロワである。カーテンコールでも一番優遇されていたようだし、別格の扱いだといってもよいくらいだ。世界バレエフェスティバルの常連たちと共演しているので、以前から興味があったのかもしれない。綺羅星のごとく輝くばかりのスターダンサーのなかにあっても、その存在感はなかなかのものだった。

 それでは、ザハロワとウヴァーロの『白鳥の湖~黒鳥のパ・ド・ドゥ』が一番よかったかというと話は別である。第一部、第二部に比べ、スターダンサーが勢揃いし、男女の性愛の形をさまざまに提示した第三部が見ごたえがあったが、圧倒的な感動をもたらしてくれたのはルグリとデュポンが踊った『椿姫』第1幕のパ・ド・ドゥである。ノイマイヤー振付の名作ではあるが、主役がいいとこうまで感動させられるものかと、ただただ驚くばかりだった。

 主役ふたりの心の動き、そしてお互いに理解しあおうとしない状況を相手役が踊っているのを、お互いに見ない=相手を理解していないを素晴らしい技術と演技で表現していて見事だった。ほぼ何もない空間に、濃密な劇世界を構築していく様は、一流ダンサーだからこそで、たぶん彼らの全幕は観る機会はないと思うが、至芸ともいうべきん舞台に接することができたことを喜びたい。

 同じくジル・ロマンとモンテカルロ・バレエ団のコピエテルスの踊ったマイヨー振付の『フォーブ』にも感動した。「牧神の午後」にのせて狂おしいまでに性の賛歌を歌いあげてみせた。サイボーグのようなコピエテルスと狂気を秘めた無垢な魂を持ったようなロマンは他のダンサーでは絶対にだせない摩訶不思議な世界を描いてみせた。

 そして『カジミールの色』と題されたビゴンゼッティ振付作品をヴィシニョーワとマラーホフが踊った。派手さはなく、ひたすら抑制された動きのなかで精神的な世界を描いていて、世界バレエフェスティバルという舞台にのせようとするだけあって、彼らの現在、進むべき方向といったようなものまで示唆していて興味深かった。

 この公演にはマクミラン振り付けの『マノン』寝室のパ・ド・ドゥは欠かせないが、これまでもさまざまなペアによって踊られてきた。コジョカルとコレーラ、ヴィニニョーワとマラーホフ、フェリとマラーホフ、ギエムとコープ、ルディエールとルグリと実力と人気のあるペアしか踊れない。今回はセミオノワとフォーゲルが、その上演の歴史に名前を刻むことになった。前回は同じくマクミランの『ロミオとジュリエット』のバルコニーのパ・ド・ドゥを踊っており、二人の相性のよさが発揮された演目となった。

 第三部の後半の4演目は、ロシア出身のバレリーナの競演となった。それぞれ違った学校で学んだダンサーたちだが、名誉あるトリの『ドン・キホーテ』はオシポワとサラファーノフの初出場ペアで、若さと驚異的なテクニックを次々に繰り出して客席をどよめかせた。これも世界バレエフェスティバルの特徴であり、楽しみでもある。開幕もコチェトコワとシムキンの初出場ペアが定番の『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』で同じく客席をわかせた。どちらも『パリの炎』、『海賊』など派手な演目を踊ることになっており、今回の台風の目になると思えた。

 スターたちが古典作品を踊る中におあって、やはり異彩を放つのは現代作品を踊る古参?のダンサーたちである。もっとも興味深かったのは、照明で区切られた狭い空間の中で同じ動きを繰り返していったギエムとル・リッシュの『クリティカル・マス』は、傑出したダンサーだからこそ実現できる緊迫感にあふれたもので、ほとばしる熱い感情よりも、不毛な現代人の抱える問題を浮かび上がらせていたと思う。普段着?を着て裸足で踊っていたのも異色である。

 自身が振付たルテスチュとマルティネスの『スカルラッティ・パ・ド・ドゥ』は、衣裳、照明、振り付けともの斬新さに溢れていたが、ピアノの生演奏は・・・。著しく完成度を殺ぐものだった。本来は、ピアニストとダンサーがそれぞれ刺激しあって、さらなる高みに観客を連れて行くような演目なのだろうなと感じた。ほかにもタマラ・ロホのソロ作品『エラ・エス・アグア』とノイマイヤー振付の『オテロ』をブシェとボァディンのハンブルグバレエ団のペアは、この公演だからこその演目だが、それ以上の価値は感じなかった。マーフィー版の『くるみ割り人形』はピクニック・パ・ドゥと題されていたが、来日公演の前宣伝からなのか、短いだけでよく判らない展開で終わってしまった。

 ロイヤル・バレエ団のラテン系のダンサー、ヌニュスとソアレスは『海賊』の驚異的な回転技で観客を驚かせた。『コッペリア』ではコジョカルが絶妙なバランスをみせた。『ディアナとアクティオン』では、カレーニョが同じくラテン系の存在感をしめしていた。

 サレンコとコンヴァリーナの『くるみ割り人形』、アイシュヴァルトとバランキエヴィッチの『ライモンダ』、上野水香とガニオの『ジゼル』は、悪くはないが、いささか平凡にみえてしまって損していたと思う。その中にあって、ガニオの存在感が光っていた。親子二代で世界バレエフェスティバルに賛歌というのは感慨深いものがあった。 

ロビーにはLEDを使ったLEDライトパネルが飾られ華やか。ダンサーの美しいポーズの写真が際立ってみえた。けっこうなお値段みたいである。こうしたイベントの基本?であるグッズ売り場にはTシャツなどが販売されていた。出演者の名前が書かれたエコバックを買い求める。プログラムやチラシ入れに重宝する。会場には宣伝をかねた小さな団扇が無料で置かれていた。今回はあまり暑くないので人気はなかったようだ。記念にひとついただいた。終演後は楽屋口の2台の大型バスに早くも人だかりが・・・。皆さんねしんだなあと感心する。毎度おなじみのトイレの大行列と混乱のないスムーズな流れにも感心。

8月2日(日)15:00開演  会場:東京文化会館
 
■第1部■ 15:00~16:10

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
マリア・コチェトコワ ダニール・シムキン

「くるみ割り人形」より "ピクニック・パ・ド・ドゥ"  
振付:グレアム・マーフィー/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ルシンダ・ダン ロバート・カラン

「海賊」
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ
マリアネラ・ヌニェス ティアゴ・ソアレス

「エラ・エス・アグア ‐ She is Water」
振付:ゴヨ・モンテロ/音楽:コミタス、クロノス・カルテット
タマラ・ロホ

「くるみ割り人形」
振付:レフ・イワーノフ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ヤーナ・サレンコ ズデネク・コンヴァリーナ

「コッペリア」
振付:アルテュール・サン=レオン/音楽:レオ・ドリーブ
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー

<休憩20分>

■第2部■ 16:30~17:45

「ジゼル」より第2幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジャン・コラーリ、ジュール・ペロー/音楽:アドルフ・アダン
上野水香 マチュー・ガニオ

「クリティカル・マス」
振付:ラッセル・マリファント/音楽:リチャード・イングリッシュ、アンディ・カウトン
シルヴィ・ギエム ニコラ・ル・リッシュ

「ライモンダ」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ/音楽:アレクサンドル・グラズノフ
マリア・アイシュヴァルト フィリップ・バランキエヴィッチ

「スカルラッティ・パ・ド・ドゥ」(「天井桟敷の人々」より)
振付:ジョゼ・マルティネス/音楽:ドメニコ・スカルラッティ
アニエス・ルテステュ ジョゼ・マルティネス

「ディアナとアクティオン」
振付:アグリッピーナ・ワガノワ/音楽:チェーザレ・プーニ
シオマラ・レイエス ホセ・カレーニョ

「オテロ」 
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:アルヴォ・ペルト
エレーヌ・ブシェ ティアゴ・ボァディン

<休憩15分>

■第3部■ 18:00~19:15

「椿姫」より第1幕のパ・ド・ドゥ   
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:フレデリック・ショパン
オレリー・デュポン マニュエル・ルグリ

「フォーヴ」  
振付:ジャン=クリストフ・マイヨー/音楽:クロード・ドビュッシー
ベルニス・コピエテルス ジル・ロマン

「白鳥の湖」より"黒鳥のパ・ド・ドゥ"
振付:マリウス・プティパ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
スヴェトラーナ・ザハロワ アンドレイ・ウヴァーロフ

「カジミールの色」
振付:マウロ・ビゴンゼッティ/音楽:ドミトリー・ショスタコーヴィチ
ディアナ・ヴィシニョーワ ウラジーミル・マラーホフ

「マノン」より"寝室のパ・ド・ドゥ"
振付:ケネス・マクミラン/音楽:ジュール・マスネ
ポリーナ・セミオノワ フリーデマン・フォーゲル

「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス
ナターリヤ・オシポワ レオニード・サラファーノフ

指揮:ワレリー・オブジャニコフ  
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団  
ピアノ:高岸浩子

2009-08-02 22:03
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東京バレエ団<創立45周年記念スペシャル・プロ> 「エチュード」「月に寄せる七つの俳句」「タムタム」 [バレエ]2009-04-19 [バレエ アーカイブス]

2009年4月18日(土)15時開演  

「エチュード」 振付:ハラルド・ランダー(上演時間50分)

エトワール:上野水香、フリーデマン・フォーゲル、レオニード・サラファーノ

指揮:井田 勝大
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

「月に寄せる七つの俳句」振付:ジョン・ノイマイヤー(上演時間40分)

月 :木村和夫
月を見る人:斎藤友佳里-高岸直樹

「タムタム」振付:フェリックス・ブラスカ(上演時間20分)

ソロ:松下祐次
パ・ド・ドゥ:西村真由美-横内国弘

パーカッション:シルヴィオ・ガルダ
トムトム:アティソー・ロコ


 今回の創立45周年記念公演は、東京バレエ団の海外公演では、特にベジャール作品が踊られることが多いのだが、それ以前に定評のあった「エチュード」と「タムタム」、世界的な振付家ジョン・ノイマイヤーに20年前に委嘱した作品「月に寄せる七つの俳句」の18年ぶりの上演である。

 「エチュード」は、チェルニーやリーサゲルの曲を使い、バレエの練習風景から始まって、高度なテクニックの博覧会のようになって終わるという作品。今日は上野水香とゲストにシュツットガルトバレエ団のフリーデマン・ファーゲルとマリインスキー・バレエ団のレオニード・サラフィーノを迎えて上演した。いずれも今夏の世界バレエフェスティバルに参加するダンサーで、ABTのシムキンあたりの初登場組とともに話題になりそうな、注目を集めそうなメンバーである。

 バーレッスンをするダンサーの足や腕を照明を使って浮かび上がらせる美しい場面から始まり、激しい動きにだんだん移行していくのを観るのは面白い。振りが落ちてしまったり、揃わなかったり、正確さや繊細さに欠けた部分もあったが、まあ楽しめた。特にレオニード・サラフィーノは荒削りながら、それこそ目の覚めるような超絶技巧を連発して素晴らしい。それに比べるとフリーデマン・フォーゲルには、あまり魅力を感じることができなかった。上野水香は安定したテニクニックで、これまた安心して観られたが、観客を惹きつける魅力は、ゲストダンサーに比べると乏しいように感じた。

 「月に寄せる七つの俳句」は20年前にジョン・ノイマイヤーに委嘱した作品で、小林一茶、正岡子規、松尾芭蕉らの月をテーマにした俳句からイメージされたバレエ作品である。確かに初演の時にも観ているのだが、ほとんど記憶がない。今回見直してみて、改めて感じたのは、「静的なバレエ」で東京バレエ団向きの作品ではなかったようである。18年間上演されなかったのも無理はない。ストーリーらしいストーリーはなく退屈。舞台面の美しさも、衣裳、照明など中途半端である。

 アルヴォ・ペルトやバッハの音楽と俳句の融合は悪くないアイディアだが、観客が俳句のもつ言葉の力を感じられたかどうかは疑問である。俳句を知らない者には、馴染みのない俳句ばかりなので、ちょっとイメージを結ぶことができなかったのは残念だった。今日のソリストはベテラン組で、斎藤、高岸、木村だが、いずれも年齢を重ねたなあという感想。そのなかでは、月を見る人を演じた高岸直樹のダンスよりも踊っていない部分の演技に感銘を受けた。

 最後は若いダンサーを中心にした「タムタム」舞台下手にパーカションとトムトムが設置されての生演奏。さらに舞台奧にゴングやカウベルがずらっと並んだ場面もある。打楽器だけでバレエを踊るという初演時はたぶん意欲的な作品だったと思う。テクニックと全員が一糸乱れずに踊るということで評判をとったことだろう。

 開幕前に緞帳の向こう側で、床がキュッキュッと鳴っていたが、どうやら滑りやすい振付だったのかもしれない。プロの舞台としてはあるまじき3度もの転倒で驚く。それだけ難しい作品だったのだろうが、バレエであんなに転び続けるのを初めてみた。必死さが伝わってくるのはいいが、もっと嬉しそうに楽しそうに踊ってくれなければ、必死さが売り物では面白くならない。

 それでもパーカションのガルダとトムトムのロコのおじさんコンビの熱演で盛り上がった。時々バレエよりも彼らのノリノリの演奏に目が向いてしまうのは仕方がない。カーテンコールで作品の最後部分、ソロが上手から下手へ向かい、最後に全員が同じ振付で踊る部分を再び踊った。安定感さえあれば良い舞台ではあると思う。

08:50
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